2012年12月16日日曜日

ダブル山田

雨模様の昨日土曜日、南青山の素晴らしいマンションの一室で、ロンドンアンサンブルのプライベートなコンサートが行われた。仕掛け人はこの豪華な部屋の住人の山田さん。ご本人の許可なく実名を出すのはいかがなものかと思われるけれど、お名前を出さないとこの題名が意味不明になるので、お許しいただきたい。今を去るウン十年前、ヤマハホールでピアノの発表会があって、先生は笈田光吉さん、日本のピアノ界で初めてドイツに留学したと言う方で、その生徒であったお嬢さんが山田さん。子供たちがステージに出渋っていると「はい、いってらっしゃい」と優しく背中を押してくれたお兄さんがいた。そのお兄さんの名前も山田さん。そう、わが「雪雀連」の会長の山田宏さんだった。このnekotamaが縁となって山田さん同士が再会した話しは、すでにお読みいただけたでしょうか?そこから私とつながり、そしてロンドンアンサンブルのコンサートにと発展し、とても贅沢なコンサートが実現した。集まったのは山田さん・・・・宏さんと区別するためにY子さんとしよう・・・・のお父様とご近所、お仲間、そして私の友人や生徒たちなど、約40人。クリスマスカラーの赤と緑でセンス良く飾り付けられた部屋で、彼らの演奏を間近に聴き、見ることの出来た人たちは心から演奏を楽しんでいた。演奏の後はケイタリングのプロがご馳走を運んで会食。それぞれのテーブルに演奏者が混じって話が弾んでいた。演奏者たちはどんなときにも全力投球で、マンションの部屋だから少し音を控えめにと言うY子さんの要望もおしまいにはかき消えて、ステージさながらの演奏になった。今回使ったピアノが実は山田さん同士を結びつけることになったポイントで、ピアノが古くなってメンテナンスを頼みたいので調律師を捜していたY子さんは、かつて背中を押してくれた調律師さんを思い出し、ぜひあの方にやってもらいたいと言うので探していたらしい。巡り合ってみて驚いたことに、このピアノの調律の記録の中に山田宏さんの名前があったそうだ。蜘蛛の糸を手繰るようにした結果が今回のコンサートになり、縁と言うものの不思議さに感動した。ウオールナット(というのか)の美しいピアノは中身も全部新しくなり、これから第二の人生を生きて何十年も音を響かせていく。Y子さんは今チェロを習っているけれど、せっかくのピアノも毎日弾いてもらいたいと願っている。弾いてこそ楽器は生きていけるのだから。

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